遥かなる深淵へ…

日々の出来事、コネタ、短編小説など書ければと

2019-01-01から1年間の記事一覧

【ワシの乳に吸い付く赤子を見ながら思った…】何?【生まれてきてくれてありがとうとな…】刹那、婆さんの目から一筋の光が…【戦後間もない大変な時代じゃったがこの子はワシの希望そのものじゃった…】婆さんがつぶやく…【わしゃあ農家の娘だで外のことは全く…

君に捧ぐレクイエム…

【破水して直ぐに産婆さん呼んだ】【そりゃ苦しかったさ… 】【なにせ年頃の娘が股をさらけ出して半狂乱にのたうちまわってたらしいからのうホッホッ】…【後から聞いた話しじゃが、ワシの体力もだいぶ限界にきとったらしい…】【いよいよ医者が、ワシの母親に…

君に捧ぐレクイエム…

【ホッホッホッお前さんよ、人が生きていくことに意味を求もてどうするよ?】何?【人はみな赤ん坊で生まれてくる】【その赤ん坊が生きとる意味なんぞ考えとるか?】【お腹が空けば乳を吸い、眠くなれば好きなだけ眠る、機嫌が悪けりゃかんしゃくをおこし、母…

君に捧ぐレクイエム…

祖母はそれ以上は語らなかった…私もまた口を閉ざした…というより何も語れなかった…母親が婆さんに相談を持ち掛けてきたこと以上に、思いもかけず、 婆さんが、私の胸の内を見透かしていたことに少なからず動揺していたのだ… また二人のそしゃく音だけが鳴り…

君に捧ぐレクイエム…

どうって、別に普通だよ…私はぶっきらぼうに答えた…【実はお前さんの母親から連絡あってのう】何!【最近、息子が物思いに老けっておる、じゃからワシに何か聞き出せないかとさ】どういうことだ?母さんは、俺のことを探り出すために、婆さんのところによこ…

君に捧ぐレクイエム…

食事中、祖母との会話は一切なかった…だからといって特段気まずい訳でもなく、ただ淡々と二人とも食事をする…もっとも、そんな気兼ねのいらない祖母だったからこそ、私がこの家に三日も滞在出来たのも確かである… 五年前に祖父がなくなって以来、祖母はこの…

労い… 君に捧ぐレクイエム

昼間、祖母の農作業を終えた私は、畳で大の字で寝そべっていた…レポートの資料も持ってきたが何もする気になれなかった…夕食が出来たと祖母の声で目を覚ました…自分がかなりの時間眠っていたことに気がついた… 学校も休みに入り、隣の本家まで米を運んで欲し…

僕と娘とドーベルマン

小型犬を見て娘がワンワンという…近所のお姉さん【ワンちゃん好きなの】 また娘ワンワンと言う…近所のお姉さんクスクス笑う…娘、小型犬とお話し中、1メートル後ろを何事もなくドーベルマンと飼い主が通過…娘、またワンワンと言う…