遥かなる深淵へ…

日々の出来事、コネタ、短編小説など書ければと

君に捧ぐレクイエム…

祖母はそれ以上は語らなかった…私もまた口を閉ざした…というより何も語れなかった…母親が婆さんに相談を持ち掛けてきたこと以上に、思いもかけず、 婆さんが、私の胸の内を見透かしていたことに少なからず動揺していたのだ…
また二人のそしゃく音だけが鳴り響く沈黙の時間…おそらく婆さんはただ普通に食事をしているだけだったのであろうが、私は動揺を隠せないでいた…食卓の壁上に掛かっている古時計がチックタックと時を刻む…あたかも私の胸の動悸と共鳴しているかの様に…
婆さん…しかし意を決して私は婆さんに話しかけた…【何じゃい?】婆さんが返事をする…生きている意味がわからない…【は?】なぜ…大学に行くのか…なぜ勉強するのか…なぜ…友達を作らないといけないのか…なぜ恋人が必要なのか…何もかもわからないんだ…【ホッホッ】周りを見れば、皆、浮かれている…恋人を作ってサークルに入って、午後から何しようかなんて話しをしてる…なんでそんなに目をキラキラしてるんだ…今やっていることが自分の未来に繋がっている確信なんて持てないのに…俺はそんな連中が嫌いだ…【ホッホッホッ】